あらすじ
奈々と大器は、浮気騒動の前のように仲睦まじい関係を取り戻していた。
クリニックでは、体外受精に向けて排卵を誘発する注射を打ち続けていた。
別の日、奈々はダイビングスクールの上司の倉持にシフトの相談をする。
すると、女性スタッフたちが影で奈々のことを批判し始めた。
それを聞いた倉持は「自分もいつ妊娠したり不妊治療をしたりするかもしれないのに想像力が足りない」と彼女たちを叱りつけた。
実は倉持夫妻も不妊治療の経験者だった。
仕事での新しい企画で大器は、アウトレットモールのプロジェクトに取り組む自信を失いつつあった。
子どもがいる家族をメインターゲットにした施設に、奈々を連れていく自信がないというのだ。
そんな中、片岡医師のクリニックを訪れた奈々は、いよいよ体外受精の治療を受けることになった。
奈々のもとへは、聡子が駆けつけていた。
結果、5個のうち4個の卵子が正常に受精し、4日後に胚移植することになった。
胚移植から10日後、奈々は片岡のもとを訪れる。
そこで片岡は、妊娠していることを奈々に告げた。
帰宅した奈々は、大器と喜びを分かち合った。
不妊治療の理解度(上司・同僚・一般的)
仕事と不妊治療の両立の大変さについてお話していきます。
NPO法人Fineが行った‘‘不妊治療と仕事の両立について’’の外部アンケート調査が行われました。
この調査はWEBアンケートにて、前回調査から約3年が経過した現在の、当事者の「仕事と不妊治療の両立についての現状」、そして「企業による仕事と不妊治療の両立に対するサポート制度の現状と当事者の要望」を把握すること。また、アンケート結果から当事者の声をまとめ、国に要望書等を提出すること(予定)。
- 対象者:仕事をしながら不妊治療をしたことのある、もしくは考えたことのある男女
- 回答者:男性42名(全体の0.8%)、女性5429名(全体の99.2%)
《回答者で最も多かった年齢》
- 35~39歳・・・1,781人(32.6%)
- 30~34歳・・・1,573人(28.8%)
- 40~44歳・・・1,276人(23.3%)
- 25~29歳・・・443人(8.1%)
不妊治療と社会問題
アンケート調査の設問17の「職場で「不妊治療をしている」ということを周囲に話しづらく感じますか(感じましたか)。」という質問に対して約81%が「はい」、約19%が「いいえ」と答えました。
また、設問17で「はい」と回答した人の理由として、設問18では以下があげられた。(多い順)
- 不妊であることを伝えたくなかった・・・2,900 人(65.2%)
- [keikou]不妊治療に対する理解が少なく、話してもわかってもらえなさそう[/keikou]・・・2,317 人(52.1%)
- 周囲に心配や迷惑をかけたくなかったから・・・2,287人 (51.4%)
- 妊娠しなかったとき、職場にいづらくなりそうだったから・・・1,912人 (43.0%)
- 仕事が減らされたり、期待されなくなったりするのではないかと思ったから・・・619人 (13.9%)
- その他・・・538人 (12.1%)
(複数回答可 N=4450回答)
この結果をみて、不妊治療がどれだけ大変なことなのかというのを世間では理解できていないと判断できます。
ですので、こういった不安感や上司に事実を伝えられない環境が出来てしまうのではないかと思います。
ですが、今は日本人カップル5.5組に1組が不妊症で悩んでいる現状です。
多くは「原因不明」のもの。
原因がわからないと治療をステップアップしながらやっていくしか方法はありません。
そして自分で何をしたらいいのか、どうしたらいいのかわからないんです。
お仕事をしながら、そして子育てをしながらの不妊治療は尚更大変です。
よくHinataにくる患者様も「腰痛が辛くて仕事にならないから会社を休んできました」という方がいます。
でも「不妊治療したいので会社休みます」なんて聞いたことないですよね?
この違い、なんでしょう?
実際、国では少子化対策で女性は3人産む必要があると言われていますね。
でも、今までのキャリアもあるし・・・ここで辞めたらもうおしまい
だから「寿退社して自由な時間を作ろう!」
これも決定権は個人にあります。
でも選択枝が・・・
社会とはこういうものなんですね。
改めて実感しました。
体外受精のおさらい
体外受精についてのブログはこちら
体外受精を望んでいる際、クリニックで排卵を促すために排卵促進剤を処方することがあります。
特に、排卵しにくい卵巣状態や多嚢胞性卵巣症候群の方にはhCG注射をご自身でうって排卵を促します。
また、卵胞が育ちにくい場合と排卵しにくい場合は、卵胞の成長促進させる内服薬と併用して注射を行う場合もあります。
注射自体は針が細く、痛みは感じにくいと言われていますので安心して使用できます。
では、実際どのような働きをするのか見ていきましょう。
[aside type=”boader”]
【hCGの働き】
- 排卵促進
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)を維持・分泌
実は、排卵を促進させるだけではないんです。
黄体機能不全の場合でも、処方されます。
黄体機能不全とは、高温期なのに体温が上がらない状態を言います。
高温期に分泌するプロゲステロンは、「卵胞を黄体にする」「子宮内膜を厚く維持する」「体温を上げる」ホルモンです。
また、[keikou]妊娠を維持するホルモン[/keikou]でもあります。
hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)とは?
卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)と似ているホルモンです。
ホルモンの働きに対しては先述の通りですが、FSHとLHに似ているホルモンですので女性では排卵を促し、男性ではテストステロンの産生を誘発することができますので体外受精の治療によく使われます。
そして、黄体ホルモンの分泌を促し妊娠の維持や子宮内膜の肥厚の働きがあるため、黄体機能不全の治療にもhCGが使用されます。
採卵~受精卵を戻すまで
採卵は、卵胞が1.6~2.0mm以上まで育っているものから採卵します。
採卵の日にちをクリニックで決め、それまでに卵胞を育てる薬や排卵誘発剤を服用し、採卵できる状態までに準備しておきます。
採卵当日、育っている卵胞をいくつか採卵します。
精子を卵子と受精させ、正常に細胞分裂し胚盤胞のグレードが一番いい受精卵を子宮内に戻します。
そして、胚盤胞が無事に子宮内膜まで到達して潜り込むことができ、hCGが放出されたのが確認できると妊娠が成立します。
ついに妊娠!
奈々も体外受精でついに妊娠できましたね!
本当におめでたいです。
妊娠報告で二人が抱き合う瞬間、涙がでました。
不妊治療は何もかもがネガティブになりますし、本当に大変なことなんだとドラマでもきっちり再現できていました。
でも、妊娠は1つの通過点でもあります。
本当の目指すところは、母子ともに無事に出産ができることです!
そのためには、基本的な細胞の質が問われます。
- 卵子・精子の質
- 受精卵の質
- 子宮内膜の質
これらは、普段の生活が大事なんです。
食事で気を付けるべきこと
食事では、妊娠・出産に必要な栄養素を積極的に摂り、不要なものは摂らないということです。
例えば、糖は身体にとても必要な栄養素でもあります。
熱を産生したり、身体を動かすエネルギー源です。
その反面、細胞の老化を促進させ、体内で吸収し活用されない糖はのちに脂肪に変わります。
この働きは別に糖ではなくタンパク質や脂肪でも同じ働きが期待できます。
ですので、食事では炭水化物を減らしタンパク質が豊富+脂質もあるお肉や魚、などに変えてみたりするといいですよ!
なんでもそうですが、必要以上に摂るとどんどんそれが蓄積されていき、様々な影響を及ぼしますので摂りすぎには注意しましょう。
精子の質を保つためには?
そして、性生活では特に男性は精子の質を保つために、定期的な射精が必要であるとある研究報告で示唆されています。
男性不妊であげられる原因
- 全体的に運動率が低い
- 無精子症(精液中に精子がいない)
- 精子が少ない
- 染色体異常
DNA欠損した精子が、いくら卵子が正常でも受精ができないもしくは、できますが初期流産や流産にならずとも胎児のカラダに異常がみられるリスクが上がります。
DNA欠損の多くの原因は酸化ストレス、栄養不足です。
さらに喫煙、長期間の禁欲、日常ストレス、精路感染、高温環境、精索静脈瘤なども酸化ストレスを上昇させる要因となります。
もちろん卵子も同じことが言えます。
卵子の質や子宮内膜の質が欠けてしまうと受精卵にも影響を及ぼしますし、初期流産、染色体異常胎児のリスクが上がります。
まとめ
妊活は「妊娠できるカラダづくり」を目指して行いますが、最終的な目標は「無事に健康で元気な赤ちゃんを出産できること」だと思います。
そうすると、妊娠できても気をつけなければいけないことが今まで以上に増えてきます。
それは、カラダの面でもそうですし心の面でも同じです。
「自分にきちんと母親がつとまるのか」「いい母親になれるのか」妊娠できた嬉しさの反面、不安もありますよね。
そんな不安もきちんと解消して、妊娠中の心とカラダのケアもきちんと行いましょう。