不妊症に鍼灸?その効果を解説

不妊症や妊活に鍼灸?

不妊症や妊活でお悩みの方が、鍼とかお灸とか聞いたことあるけど・・・
受けたことないし、なんか胡散臭い
鍼灸ってどんな効果があるのか気になりますよね?
今回は鍼灸が不妊症や妊活になぜ良いのか、なぜ最近注目され、病院でも取り入れられ始めているのか解説します!

効果その1 血流を改善しちゃう

血流を改善します!といってもなんで?ってなりますよね?
ではちょっと難しいですがロジカルに解説します。
図をご覧ください

①鍼やお灸の刺激がブスっと皮膚に刺さります
②その刺激を受容器(センサー)が感知します
③センサーが神経を介して2経路に伝わります
④赤いラインの神経が周囲の血管に化学物質(CGRP・サブスタンスP)を放出します
⑤化学物質によって血管が拡張します
⑥血流量が増えるため鍼灸をした周りが赤く発赤(フレアー現象)します

このように鍼をすることによって自分の意志とは関係なく、半ば強制的に血管を開き血流を改善するんですね!
この効果を使って次の自律神経調整も説明できますし、痛みの軽減もこの効果が大きいですね。
不妊症や妊活では、子宮や卵巣の血流を上げたい!のですが直接、子宮や卵巣の血流を上げることは困難なので、子宮や卵巣を支配している神経や、子宮や卵巣に行く血管を支配している神経の周りを刺激することで、間接的に子宮・卵巣の血流を改善していきます。
直接おしりやお腹をお灸で温めて血流を改善させることもやっていきます。

効果その2 自律神経を整えちゃう

自律神経の説明は少し長くなります。
まず自律神経が乱れているとはどんなことなのか?を説明しますね。
自律神経の働きを簡単に言うと
呼吸・脈拍・消化・生殖・排便・睡眠これらの生命維持活動をスムーズに行うこと
したがって自律神経の乱れとは呼吸・脈拍・消化・生殖・排便・睡眠に何らかの問題があるということです。
実際の身体に出る症状は

  • 耳鳴り
  • めまい
  • 偏頭痛
  • 動悸
  • 息切れ
  • ほてり
  • 不眠
  • 便秘
  • 下痢
  • 生理不順
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 慢性的な疲労
  • だるさ

精神症状は

  • イライラ
  • 不安感
  • 疎外感
  • 落ち込み
  • やる気が出ない
  • 憂鬱になる
  • 感情の起伏が激しい
  • あせりを感じる

これだけあれば誰でも1つくらいは該当しそうですよね?
でも自律神経が乱れている人は一つだけでなく、複数出ることが多い印象があります。
自律神経が乱れることで生殖機能、つまり不妊症や妊活にも影響が出ています。

鍼灸が自律神経に及ぼす効果とは

自律神経の役割は
呼吸・脈拍・消化・生殖・排便・睡眠これらの生命維持活動をスムーズに行うこと
でしたね。
この中で唯一コントロールできるのは呼吸です。他は自分の意志ではコントロールできませんよね。
呼吸は自然にもしていますが、深呼吸は自分の意志でできますよね。
気持ちを落ち着けたいときに自然に深呼吸をすることありませんか?もしくは大きなため息をつくとか。ホッとした時にも出ますよね。
ヨガや瞑想などは深呼吸することを呼吸法といって意図的に深呼吸を自分で行って自律神経を調整しているんですね。鍼灸では呼吸に関係する筋肉の血流を改善することで緩め、呼吸を整えます。
不妊症や妊活では呼吸はとても大事で、細胞のエネルギーを作り出すときに必要になる酸素を取り込むのは呼吸です。呼吸が楽になるだけでも身体の代謝や機能は格段に上昇し、妊娠体質へ近づくことができます。

効果その3 東洋医学的に健康にしちゃう

東洋医学ってなんか難しそう、怪しいと感じている方も多いんじゃないかと思います。
同じ東洋医学で有名なのは漢方ですよね!風邪の時の葛根湯、インフルエンザや高熱の時の麻黄湯、元気がない時の人参養栄湯、妊活には当帰芍薬散などが良く処方されますね。漢方薬は皆さん1度は飲んだことあるのではないでしょうか?
実は鍼灸も漢方も生まれは中国で、東洋医学の思想がもとになっています。

基本的な東洋医学の考え方


東洋医学ではたくさんの文献があるのですが、鍼灸や漢方では陰陽論(いんようろん)五行論(ごぎょうろん)という古の本をもとに考えています。
こんな図を見たことありませんか?

これは陰陽五行論の考え方をまとめたもので人間の身体の関係を表したものです。
説明をかなりハショリますが、私の手書きで書いた下の図が全てです。(汚くてすみません)

一番左が不健康、右の丸いのが健康!
これが鍼灸で言う健康という状態を説明する全てです。
要は、ボールのようなまん丸の状態が健康であり、ゆがんだボールでは不健康と考えます。
大きく腫れてしまったところは取り除き、足りないところは足す。この考えを補寫(ほしゃ)と呼び、木火土金水に対応する臓器にアプローチして補寫します。
実際はもっと複雑なのですが簡単に言うとこんな感じです。
HINATAでは「脈診」と言って脈を打つ大きさや特徴を見て、身体のどの部分が弱っているのか、逆に強くなりすぎているのかをチェックしています。
そして身体に365個あるツボを選んで、鍼やお灸をすることでまん丸に近づけることをやっているんですね。
東洋医学では、「自分が元気でないと新たな命を宿すことはできない」という考えがあります。まあ当然ですよね。不妊症や妊活でお悩みの方は、まあほとんどの人が足りてないので「補」を中心に施術しています。

まとめ

鍼灸をすることで不妊症や妊活に有効な効果のまとめです。

  • 子宮や卵巣の血流を改善しちゃう
  • 自律神経を調整しちゃう
  • 呼吸を楽にしちゃう
  • 東洋医学的に身体を健康に近づけちゃう
  • リラックス効果

こんなところでしょうか?
不妊症や妊活に鍼灸なんて・・・とお思いの方、実はこんな効果があるんですよ!
お薬みたいに切れ味が鋭いものではないですが、お薬とは違ったやさしいアプローチではないかなと思います。
不妊症や妊活でお悩みの方、もし興味や機会があったら鍼灸を試してみてはいかがでしょう?
意外と痛みは少ないですし、心地よく感じられると思います。何より施術のあとの身体のポカポカ感や身体が緩んだリラックス感は他では味わえませんよ。
現役の不妊症・妊活鍼灸師が解説しました。