【体外授精】新鮮卵よりも凍結卵の方が妊娠率が良い理由

 

 

このような記事が最近出ましたね。

 

約四半世紀前に凍結保存された受精卵を使い、米国人女性が健康な女の子を出産した。

http://www.afpbb.com/articles/-/3156226

25年前に凍結した受精卵で女の子が生まれたニュースです。

 

凍結しておくことで25年も保存できるなんて凄いですね。

 

これによって生殖医療の技術の高さがうかがえます。

 

 

 

体外授精は2種類

 

体外授精は2種類あります。

  • 体外授精:卵子を採取し、精液と混ぜて自然受精させ、受精卵をつくる
  • 顕微授精:卵子を採取し、厳選した精子を卵子にガラス管で送り込み授精させ、人工的に受精卵をつくる

 

どちらの場合でも

  • 卵子を新鮮なまま受精卵にするか
  • 凍結してから受精卵にするか
  • 受精卵にして凍結するか

という方法があります。

 

 

新鮮な卵子の方が妊娠率はいいんじゃないの?

 

皆さんは凍結しない新鮮な卵子の方が妊娠率はいいじゃないの?

 

と思いませんか?

 

私は最初「なんでわざわざ凍らせて受精卵にするんだろう、新鮮な方がいいに決まってるじゃん!」

 

と思いました。

 

しかし、勉強をしていくうちに凍結する理由が分かりました。

 

 

凍結卵子の方が妊娠率が良い理由

 

凍結した卵子の方が妊娠率が良い理由は、

 

[keikou]凍結することによって子宮内環境を整える時間ができる![/keikou]

 

ということと、

 

[keikou]採取した卵子や精子にはタイムリミットがあり、すぐに受精させ、子宮に戻すにはタイミングが合わなければいけない[/keikou]

 

という理由があります。

 

カラダの負担を少なくするため、1回の治療で卵子をたくさん採卵できるようにします。

 

しかしたくさん採卵するためにはお薬が必要で、排卵誘発を行うと子宮内環境が悪くなってしまう。

 

このような理由で新鮮受精卵を子宮に戻しても着床・妊娠がうまく行かないということになります。

 

この事実は統計にも表れています。

2014年度の生殖医療成績

 

[aside type=”boader”]

新鮮卵

移植あたり妊娠率→21.0%

移植あたり生産率→14.5%

[/aside]

 

 

[aside type=”boader”]

凍結卵

移植あたり妊娠率→33.4%

移植あたり生産率→23.1%

[/aside]

 

かなり数字の差がありますね。

 

また受精卵を凍結する場合は、

 

胚盤胞という受精卵がある程度育ったところで凍結するので

 

成長過程で脱落してしまう(遺伝子の異常や卵子精子の質の問題と言われてます)受精卵を排除できるという利点もあります。

 

まとめ

 

 

[aside type=”pink”]

凍結した卵子の方が妊娠率が良い理由

  • 凍結することによって子宮内環境を整える時間をつくれる
  • 胚盤胞まで育つ過程のなかで脱落してしまう受精卵を排除できる
[/aside]

 

 

 

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