このような記事が最近出ましたね。
約四半世紀前に凍結保存された受精卵を使い、米国人女性が健康な女の子を出産した。
25年前に凍結した受精卵で女の子が生まれたニュースです。
凍結しておくことで25年も保存できるなんて凄いですね。
これによって生殖医療の技術の高さがうかがえます。
体外授精は2種類
体外授精は2種類あります。
- 体外授精:卵子を採取し、精液と混ぜて自然受精させ、受精卵をつくる
- 顕微授精:卵子を採取し、厳選した精子を卵子にガラス管で送り込み授精させ、人工的に受精卵をつくる
どちらの場合でも
- 卵子を新鮮なまま受精卵にするか
- 凍結してから受精卵にするか
- 受精卵にして凍結するか
という方法があります。
新鮮な卵子の方が妊娠率はいいんじゃないの?
皆さんは凍結しない新鮮な卵子の方が妊娠率はいいじゃないの?
と思いませんか?
私は最初「なんでわざわざ凍らせて受精卵にするんだろう、新鮮な方がいいに決まってるじゃん!」
と思いました。
しかし、勉強をしていくうちに凍結する理由が分かりました。
凍結卵子の方が妊娠率が良い理由
凍結した卵子の方が妊娠率が良い理由は、
[keikou]凍結することによって子宮内環境を整える時間ができる![/keikou]
ということと、
[keikou]採取した卵子や精子にはタイムリミットがあり、すぐに受精させ、子宮に戻すにはタイミングが合わなければいけない[/keikou]
という理由があります。
カラダの負担を少なくするため、1回の治療で卵子をたくさん採卵できるようにします。
しかしたくさん採卵するためにはお薬が必要で、排卵誘発を行うと子宮内環境が悪くなってしまう。
このような理由で新鮮受精卵を子宮に戻しても着床・妊娠がうまく行かないということになります。
この事実は統計にも表れています。
2014年度の生殖医療成績
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新鮮卵
移植あたり妊娠率→21.0%
移植あたり生産率→14.5%
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凍結卵
移植あたり妊娠率→33.4%
移植あたり生産率→23.1%
[/aside]
かなり数字の差がありますね。
また受精卵を凍結する場合は、
胚盤胞という受精卵がある程度育ったところで凍結するので
成長過程で脱落してしまう(遺伝子の異常や卵子精子の質の問題と言われてます)受精卵を排除できるという利点もあります。
まとめ
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凍結した卵子の方が妊娠率が良い理由
- 凍結することによって子宮内環境を整える時間をつくれる
- 胚盤胞まで育つ過程のなかで脱落してしまう受精卵を排除できる